排水口も、浴槽のエプロン内部も掃除した。しかし、それでもまだチョウバエは現れる。発生源がどこにあるのか、全く見当がつかない。そんな八方塞がりの状況に陥った時、やみくもに掃除を続けるのではなく、科学的なアプローチで発生源を特定するための、いくつかの有効な調査方法が存在します。まず、最も手軽で効果的なのが、「排水口封鎖テスト」です。これは、家の中にある全ての排水口が、本当の発生源ではないことを証明するための、消去法的な調査です。夜、就寝前に、キッチン、浴室、洗面所、洗濯機など、家の中にある全ての排水口の蓋の上に、ビニールなどを被せて、テープで隙間なく完全に密閉します。そして翌朝、そのビニールを剥がし、内側にチョウバエが付着していないかを確認します。もし、いずれかのビニールにチョウバエが付着していれば、その下の排水口が発生源であると確定できます。しかし、全てのビニールに一匹も付着していなかった場合、それは、発生源が「排水口以外」のどこかにある、ということを意味します。次に、その「排水口以外の発生源」を探すための方法として、「粘着トラップ調査」があります。ホームセンターなどで手に入る、ハエ用の粘着シート(ハエ取りリボンなど)を、疑わしいと思われる場所、例えば、浴槽のエプロン内部や、シンク下の収納スペース、洗濯機の防水パンの近く、あるいは天井裏の点検口のそばなどに、複数設置します。そして、数日間様子を見て、どのトラップに最も多くのチョウバエが捕獲されているかを確認します。特定のトラップにだけ、捕獲数が突出して多い場合、そのすぐ近くに発生源が潜んでいる可能性が極めて高いと推測できます。これらの調査は、少し手間と時間がかかりますが、闇雲に家中を掃除するよりも、はるかに効率的に原因を突き止めることができます。まるで科学捜査のように、一つずつ可能性を検証し、潰していく。その地道な作業こそが、見えない敵の隠れ家を暴くための、最も確実な道筋となるのです。
発生源がわからない時の特定方法