「ヤモリは益獣だから残したいけれどゴキブリは全滅させたい」と考える人は多いですが生態学的な観点から言えばそれは非常に困難な願いです。なぜならヤモリがいるということはそこに彼らを養うだけのゴキブリ(餌)が存在するということだからです。逆に言えばゴキブリを完全に駆除してしまえば餌を失ったヤモリは自然と去っていくか餓死してしまいます。つまり「ヤモリもゴキブリもいない環境」こそが完全駆除の到達点なのです。この状態を目指すためには徹底的な環境コントロールが必要です。まずは「兵糧攻め」です。家の中の食品はすべて密閉容器に入れ生ゴミは蓋付きのゴミ箱で管理しシンクの水気も毎晩拭き取ります。ゴキブリにとっての水一滴、油一滴は命をつなぐご馳走です。次に「要塞化」です。前述したようにあらゆる隙間を塞ぎ外部からの侵入を物理的に遮断します。そして「化学的防衛」です。毒餌タイプ(ベイト剤)の駆除剤を設置し巣に持ち帰らせて連鎖的に駆除します。バルサンなどの燻煙剤は隠れている個体には効きにくい場合があるためベイト剤との併用が効果的です。さらに家の周囲の環境も見直しましょう。庭の落ち葉や廃材はゴキブリやヤモリの隠れ家になるため撤去し植木鉢の位置も壁から離します。こうした対策を数ヶ月単位で継続しゴキブリの姿を全く見なくなればやがてヤモリの姿も消えるはずです。寂しい気もしますがこれが都市型の衛生管理された住宅の姿です。中途半端にヤモリを残そうとしてゴキブリ対策を緩めれば結局は害虫とのいたちごっこが続くだけです。もしあなたが虫の一切いないクリーンな生活を望むのであれば心を鬼にして生態系のピラミッドを底辺から崩す覚悟が必要です。ヤモリがいなくなることは少し残念かもしれませんがそれはあなたのゴキブリ対策が完了したという勝利の証でもあるのです。