害虫駆除の観点から見ると家に住み着いたヤモリは非常に有益なパートナーとなり得ます。いわゆる益獣として扱われる彼らと共存することにはいくつかの明確なメリットがあります。最大のメリットは何と言っても「薬剤を使わない安全な駆除」が可能である点です。小さなお子様やペットがいる家庭では強力な殺虫剤や燻煙剤を使用することに抵抗がある場合が多いでしょう。しかしヤモリがいれば自然の摂理の中でゴキブリやシロアリ、クモなどを捕食して数を減らしてくれます。彼らは無音で活動し夜行性であるため私たちが寝ている間にひっそりと仕事をこなしてくれます。またゴキブリホイホイなどの罠にかからないような警戒心の強いゴキブリも生きたハンターであるヤモリからは逃れられません。さらにスピリチュアルな側面でもヤモリは「富の象徴」や「家の守り神」とされ大切にすることで運気が上がると言われています。しかし共存にはいくつかの注意点やデメリットも存在します。まず彼らも生き物である以上「排泄」をします。窓枠やベランダに黒い米粒のような糞が落ちていることがありますがこれがヤモリの糞です。白い部分が混じっているのが特徴で掃除の手間が増えることは否めません。また爬虫類独特の見た目や動きが生理的に受け付けないという人にとっては精神的なストレスになるでしょう。さらに稀なケースですがエアコンの室外機や内部に入り込んで故障の原因になったりドアの隙間に挟まってしまったりする事故も起こり得ます。そして最も重要なのは「ヤモリだけでゴキブリを全滅させることは不可能」という現実です。彼らはあくまで個体数を抑制する存在であり巣ごと壊滅させるわけではありません。共存を選ぶのであればヤモリをあくまで補助的な対策として捉え生ゴミの処理や清掃といった基本的な衛生管理は人間側でしっかり行う必要があります。過度な期待はせず「いてくれたらラッキー」くらいの距離感で接することがヤモリと人間そしてゴキブリ対策のバランスの取れた共存関係を築くコツなのです。