スズメバチにハッカ油スプレーを吹きかけると起きる惨劇
「蜂が寄ってきたからハッカ油スプレーで撃退しよう」という考えは今すぐ捨ててください。特に相手がスズメバチである場合その行為は自殺行為に等しい危険性を孕んでいます。なぜなら市販のハッカ油スプレーには殺虫成分が含まれておらず蜂を即死させる能力は皆無だからです。殺虫能力がない液体を吹きかけられた蜂はどうなるでしょうか。答えは「激怒」です。ハッカ油の主成分であるメントールは皮膚や粘膜に冷感刺激を与えるものですが蜂にかかった場合も同様に強い刺激を与えます。突然冷たくて臭い液体を浴びせられたスズメバチは驚きと痛みで興奮状態になりフェロモンを放出して仲間を呼び寄せながら執拗に攻撃を仕掛けてきます。これがハッカ油が「逆効果」と言われる最悪のシナリオです。実際にキャンプ場で飛んできたスズメバチに虫除け感覚でハッカ油スプレーを噴射した結果集団で襲われてしまったという事例も報告されています。ハッカ油の効果はあくまで「嫌がって近寄らないようにする」という予防的なバリア機能に限定されます。既に目の前にいる蜂や巣を守ろうとしている蜂に対しては無力であるどころか火に油を注ぐ結果になります。もし目の前にスズメバチが現れたら刺激の強いスプレーを撒き散らすのではなく姿勢を低くして後ずさりしながら静かに距離を取ることが唯一の正解です。ハッカ油はあくまで「蜂がいない場所に彼らを寄せ付けないための結界」として使うべきものであり「現れた敵と戦うための武器」ではないということを強く心に刻んでおく必要があります。武器として使うならピレスロイド系の成分が入った専用の駆除スプレー以外に選択肢はないのです。