ニホンヤモリはその愛らしい見た目とは裏腹に夜のハンターとして極めて優秀な能力を秘めています。彼らが「家守」と呼ばれる所以はその名の通り家の害虫を食べて家を守ってくれるからに他なりません。特に私たち人間が忌み嫌うゴキブリに対してヤモリは天敵として立ちはだかります。では実際に彼らはどれほどの捕食能力を持っているのでしょうか。ヤモリの主食は生きた昆虫類ですが自分よりも小さな獲物であれば果敢にアタックします。生まれたばかりの小さなヤモリはダニやコバエなどを食べますが成体になり体長10センチを超えてくると大型の獲物も狙えるようになります。彼らの狩りのスタイルは「待ち伏せ」です。壁や天井に張り付き獲物が射程圏内に入ってくるのをじっと待ちます。そして獲物が近づくと瞬発力を活かして飛びかかり強力な顎で噛みつきます。ゴキブリは動きが素早く人間でも仕留めるのに苦労しますがヤモリの動体視力と反応速度はそれを上回ります。特にゴキブリの幼虫や小型種に対しては圧倒的な強さを誇ります。ただし成虫のクロゴキブリのような大型で硬い殻を持つ相手にはさすがのヤモリも苦戦することがあります。飲み込めるサイズに限界があるため大きすぎる獲物は諦めることもありますがそれでも威嚇して追い払う効果は期待できます。またヤモリは大食漢であり一晩に何匹もの虫を捕食することもあります。彼らが一匹家にいてくれるだけで目に見えないゴキブリの幼虫たちが次々と駆除されている可能性があるのです。殺虫剤を使わずに害虫を減らしてくれる彼らはまさに天然のバイオコントロールエージェントです。さらにヤモリは壁面を自由に移動できるため人間やゴキブリホイホイでは届かない高い場所や狭い隙間に潜む害虫も捕食してくれます。もしあなたの家でヤモリを見かけたら「気持ち悪い」と追い払う前に彼らが今夜もあなたの代わりに嫌な害虫と戦ってくれている頼もしいガードマンであることを思い出してみてください。その小さな体には家を守るための驚くべき本能と能力が詰まっているのです。