ふと窓ガラスや外壁を見ると小さな恐竜のようなシルエットが張り付いていることがあります。家守と書いてヤモリと読むこの生き物は古くから家を守る縁起の良い生き物として親しまれてきましたが現代の住宅事情においては少し違った不安を呼び起こす存在でもあります。それは「ヤモリがいるということは餌となるゴキブリが家に大量にいる証拠ではないか」という疑念です。結論から申し上げますとこの推測はあながち間違いではありません。ヤモリは肉食性の爬虫類であり生きた昆虫を捕食して生活しています。彼らのメニューには蛾やハエ、蚊、クモそしてもちろんゴキブリも含まれています。特にゴキブリの幼虫や小型のチャバネゴキブリなどはヤモリにとって格好の獲物です。したがってヤモリが頻繁に家の周りや室内に出没するということはそのエリアに彼らの胃袋を満たすだけの豊富な餌場があることを示唆しています。しかしこれを単に「不潔な家」の烙印と捉えるのは早計です。ヤモリは光に集まる習性があり夜間の自動販売機や街灯、コンビニの窓などに集まる虫を目当てに待機している姿をよく見かけます。つまり家の窓から漏れる光に誘われてやってきた蛾や羽虫を食べに来ているケースも非常に多いのです。また日本の住宅環境においてゴキブリを完全にゼロにすることは非常に難しく清潔にしている家でも外部から侵入してくることはあります。ヤモリはそうした侵入者や周辺に潜む虫たちを感知して集まってきているに過ぎません。むしろポジティブに捉えるならばヤモリがいるおかげで家の周りの害虫密度がコントロールされているとも言えます。もしヤモリの姿を見て「家がゴキブリだらけなのではないか」と不安になったならまずは家の周りの環境を見直してみましょう。植木鉢や雑草が多く虫が隠れやすい場所はないか、生ゴミの管理は適切か、網戸に隙間はないか。ヤモリはあくまで捕食者であり環境の指標です。彼らがいることは生態系が機能している証拠であり必ずしも家の中がゴキブリ天国であるとは限りません。ただ彼らが定着するということはそこに「食料」があることは確かなのでゴキブリ対策を見直す良いきっかけとして捉えるのが賢明な付き合い方と言えるでしょう。
ヤモリが出る家はゴキブリがいる証拠なのか?真実を検証