一戸建てではなく、マンションやアパートといった集合住宅でチョウバEの発生に悩んでいる場合、事態はより複雑で、厄介な様相を呈することがあります。自分の部屋の排水口や水回りを、どれだけ徹底的に清掃しても、一向にチョウバエが減らない。そんな時、考えられる最悪のシナリオ、それは「発生源が、自分の部屋ではない」という可能性です。集合住宅は、全ての住戸が、目に見えない配管や、建物の構造体で繋がっています。そのため、他の部屋で発生したチョウバエが、共用の配管などを伝って、あなたの部屋に侵入してきているケースが、実は少なくないのです。例えば、下の階の住人が、長期間にわたって浴室の排水口の清掃を怠っていたり、あるいは不在で、排水トラップの水が干上がってしまっていたりすると、そこで大発生したチョウバエが、排水管を遡って、あなたの部屋の排水口から出てくることがあります。また、建物の構造によっては、各戸の排水管が、壁の中や床下にある共用の配管スペースに集約されています。もし、その共用配管のどこかで、詰まりや破損による水漏れが起こり、汚泥が溜まっているような状況があれば、そこが建物全体の巨大な発生源となり、各部屋にチョウバエを供給し続けるという、悲劇的な事態も考えられます。さらに、一階部分に飲食店が入っているマンションなどでは、その店舗のグリストラップなどが、建物全体の発生源となっている可能性も否定できません。このような場合、いくら自分の部屋だけをきれいにしても、根本的な解決にはなりません。まるで、川の上流が汚染されているのに、下流で水をきれいにしようと努力しているようなものです。もし、あなたが自分の部屋の対策を万全に行ったにもかかわらず、チョウバエの問題が解決しないのであれば、それはもはや個人の問題ではなく、建物全体の問題である可能性が高いです。一人で抱え込まず、すぐに建物の管理会社や大家さんに連絡し、状況を説明してください。そして、建物全体の調査や、他の住戸への清掃の呼びかけ、あるいは専門業者による共用部分の点検などを依頼することが、この終わりのない戦いに終止符を打つための、唯一の道筋となるのです。
もしかして階下から?集合住宅の発生源