原因不明のかゆみに、夜も眠れない。体の柔らかい部分、例えば脇腹や太ももの内側、二の腕などに、赤い小さな発疹が集中してできて、しかもそれが猛烈にかゆい。そんな症状に悩まされている場合、その犯人は、あなたの家の中に潜む「イエダニ」かもしれません。そして、そのイエダニの発生源、供給源となっているのが、実は、あなたの家のどこかに巣食っている「ネズミ」である可能性が、非常に高いのです。イエダニは、体長が〇.七ミリ程度の、非常に小さな吸血性のダニです。その主な宿主(寄生対象)は、ネズミであり、普段はネズミの体表や、巣の中に潜んで、ネズミの血を吸って生活しています。人間は、本来の宿主ではありません。しかし、いくつかの状況が重なると、彼らは人間を襲うようになります。最も多いケースが、宿主であるネズミが死んでしまった場合です。例えば、天井裏や壁の中で巣を作っていたネズミが、寿命や、あるいは殺鼠剤によって死んでしまうと、血を吸う相手を失ったイエダニたちは、新たな宿主を求めて、巣から這い出し、大移動を開始します。そして、建物の隙間などを通って、私たちの生活空間へと侵入し、寝ている間に人間を刺して、吸血するのです。また、巣の中のネズミの数が増えすぎた場合も、巣から溢れたイエダニが、新たな宿主を求めて人間にやってくることがあります。イエダニによる痒みは非常に強く、刺されてから半日ほど経ってから現れるのが特徴です。そして、その痒みは一週間以上続くこともあります。ネズミのフンが落ちているということは、その近くにネズミの巣がある可能性が高いことを示しています。そして、その巣の中では、おびただしい数のイエダニが繁殖していると考えるのが自然です。つまり、ネズミのフンは、感染症のリスクだけでなく、二次的な被害である「イエダニの発生源」が、すぐ近くにあることを示す、危険なサインでもあるのです。もし、原因不明の痒みと、ネズミのフンという、二つのサインが同時に現れたなら、問題はあなたの想像以上に深刻化しています。ネズミの駆除と同時に、専門業者による、ダニの駆除と殺菌作業を依頼することが、この二重の苦しみから解放されるための、唯一の道と言えるでしょう。
イエダニの発生源はねずみのふん?